
どうもプロです。
CGデザイナーの中で経験とスキルがもっとも反比例していると自負するほどの腕前です。
映画、テレビ、CM、ゲーム、様々な業界で3DCGが使用されているけど、実際のところCGデザイナーの将来性はどうなのかな。「CGデザイナーの仕事がなくなるのでは?!」と恐れている人も多いようなので、ちょっと一緒に考えてみよう。
ゲーム業界はスマホアプリが人気ということもあり、比較的単価も安定しているようですね。
僕もアプリゲームのモーションをつけたことがあります。
逆に言えば次から次にゲームアプリが出てくるので競争も激しくスマホアプリに専念してる会社はちょっとギャンブル的なところがありますね。
実は後輩が出向してたゲーム会社があるんですが、勝負をかけたゲームが売れずにつぶれちゃいました。
ですがゲーム業界はコロナ過で一気に売り上げを伸ばして好調ですし、メタバースの時代がくるとも言われてるのでもはや人生の一部の趣味になってくるはずです。
Blenderの普及で個人でも面白いものを作れちゃう時代になりました。
「BlenderやUnityが無料で使えるので自分でゲームを作ってみよう!」なんて人がますます出てくるでしょう。
CGデザイナーとエンジニアがタッグを組むことでインディーゲームをつくる、なんてのも良いですね。
「STAND BY ME ドラえもん」がヒットしたあたりからフルCGアニメ映画が増えましたね。
テレビアニメでもCGで手描きアニメのように見せる「セルルック」という手法を使っているものもよく見ます。
これからますますCGが使われていくことが予想されますが、手描きのアニメーターのようにどんどん給料が減っていく恐れもありそう。
すでに海外と提携することで人件費を抑えるという会社も出てきています。
またぼくの知り合いの会社では、中国のアニメ案件を受けているとのことで、海外と仕事をするという方向は可能性が広がりそうです。
今業界で最も熱い視線を送られているのは3DプリンターとVR(バーチャルリアリティ)ではないでしょうか。
3Dプリンターが出てきた当初「お、これでCGできる人はみんなフィギュア屋さんになれるってことか?」とか思ってたら、やっぱりすぐにフィギュア屋さんをする会社が一杯出てきましたね。
日に日に進化してる3Dプリンターですが、どんなものが作られているかと申しますと。
フィギュア、ギプス、義足、銃、家、お菓子、服、化粧品、頭蓋骨、車。。
もはやイメージすらわきません。。。
とはいえまだまだ過渡期でこれからの分野ですので価格や強度など、さらに改善されていくでしょうから、いくら安い3Dプリンターが出たからといっても今はまだ早いかな。
僕も自分でモデリングしたものを出力サービスを利用して出力してみましたが、値段とクオリティにまだまだ満足できるものではありませんでした。
でもスカルプトモデリングのソフトも簡単なものがあるし誰でもやろうと思えば出来るので、めちゃくちゃうまいモデラーさんならともかく、CGデザイナーの優位性はあまりないかなと感じます。
ソニーからプレステVRが発売されたことで一気に認知度が上がったように思います。
僕も体験してみましたが、「これはやばい」と思いました。
完全に新しい世界の扉が開かれたと言っていいでしょう。
でも、まだ液晶画面が目の前にあるだけなのですぐに目と頭が痛くなるのでこれをどうやって解消するのか。
VR以外にもARだったり、ホログラムだったり新しい技術は今、可能性を模索しているところですね。
すでに多くの人がその可能性に賭けています。Facebookも色んなVRの企業を買収していて、そのうちFacebookが仮想世界をつくりだすのかもしれません。
(・・・といってたらメタと社名を変えて本腰いれてきましたね。)
少し先の未来、老人ばっかりの世界では、病院で寝ながらVRで海外旅行を楽しんだりしてるんでしょうねぇ。
あとは「クラスター」というメタバース空間サービスなども盛り上がってきていて、そこのアバターに3Dモデルを設定できるのですが、BoothなどのWEBストアで購入するなどすることで自分の好きなキャラを設定することができます。
このBoothの3Dモデルの市場がすごい伸びてるんですって。
規制強化によって倒産する会社も出てきたり、若者の客も減ってたりして「斜陽産業」と表現されています。
知り合いに話を聞くと、実際にパチスロの仕事は減っているようです。
パチスロの仕事をしていたCG制作会社はパチスロからゲームアプリへ移行しているとか。
テレビを見ない人が増えていて、テレビやCMの予算もどんどん減っていってるんですって。
でも一定の視聴者はこれからもいるのでパイプの強い映像制作会社さんなら将来も安定してる気がします。
フリーランスの知り合いでテレビのお仕事をしてる人がいますが、「どうやって仕事を取ってるんですか?」と聞くと「昔働いてた時の知り合いがいる」ということでした。
結局、人脈というかパイプが大事なんですね。
CDが売れないのでミュージックPVは売れっ子じゃないとCGなんて使ってられないのではないでしょうか。
でも、ライブ市場は活気があるようなのでライブでスクリーンに流れる映像なんかの需要はこれからもあると思います。これからは「体験にお金を払う時代」なんて言われてますから。
「この世界感を僕のライブで使いたい!」と思ってもらえるように自分の世界感を発信し続ける必要がありますね。
独自の世界感があるクリエイターさんで、バズれるクリエイターさんじゃないとなかなか依頼はないかもしれません。それでも友人の超人気アニメ作家さんがミュージックPVを作っていて、「このままだと生活できない」なんて嘆いていたけど。。
実はぼくも自主制作アニメ「国旗まん」を見た人からミュージックビデオの依頼があったんですが、スケジュールが合わずに断ることに。
ウン百万規模の面白い企画だっただけに残念。
最近はVtuberが人気ですね。
バーチャルユーチューバーというやつです。
他にも解説動画、動画広告などにも大きな可能性を感じます。
ノウハウ動画をアップしてフォロワーを集めるという方法は需要があるので、実践する人が増えてきました。
CGデザインのスキルだけでなく、発信する力が必要とされる時代になってますねぇ。
youtuberに映像をつくってあげる、編集してあげる、といった仕事の需要もあるでしょうね。
CGはより簡単になり単価も安くなる
- プロ級のものが作れちゃう無料のCGソフト
- 溢れるフリー素材
- 安価でクオリティの高い素材集
- 便利なプラグイン
- 丁寧なチュートリアル
- コストパフォーマンスに優れたパソコン
- 仕事を依頼・募集できるWebサービス
- AIの登場
これらの理由でCGは誰でも安く簡単に作れるようになっています。
今でもフリーの素材やモデルはたくさんありますが、将来的にはわざわざ作らなくてもAIで入力すればモデルができる、みたいになるんでしょうかね。やっぱり。
無料ソフトのbrenderもありますし、原物があれば3Dスキャンするだけで良くなると思います。
モーションだって、簡単にモーションキャプチャが出来ちゃうツールが出てくるはず。2023年に発売されたソニーのmocopiというのが注目されてるようですね。
またyoutubeのチュートリアルも豊富にあるので、誰もが簡単にソフトの使いかたを覚えてCGを作れるようになるし副業でCGを作る人も増えると思うので単価も下がっていく方向に向かいそう。チュートリアルを配信してる人は広告収入やフォロワーが増えるので知ったこっちゃないでしょうが。
あと最近だとchatGPTの登場が話題になってますが、開発会社のopenAIはテキストで3Dモデルを作ったり動かしたりする技術も研究しています。
これが発達すれば、モデリングもモーションも簡単に作れちゃうわけですね。
どうやって生き抜いていくか
映画をつくるような大きな会社や人気ゲームをつくる会社でばりばり働きたい人は心配なさそうです。
映像業界はまだまだ伸びていくと思うので、CGが好きで向上心をもってスキルを伸ばせる人は必ずうまくいくはず。 そんな人は将来を気にしないと思うので、それ以外で考えてみましょう。
- ポジションを取る
- 環境を整える
- スペシャリストになる
- 人と信頼で繋がる
- 他のスキルを獲得する
- オリジナリティで勝負する
というのが思い浮かびます。
ポジションを取る
ブログやYoutubeやSNSで発信して影響力を増やしていくという作戦。
影響力を大きくして仕事を得やすくしたり、副業としてお金を得ることも可能です。
世界観や手法でポジションを取るという方法もあって、「モーション制作なら負けません!」「実写合成なら我が社へ!」「動画広告に特化してます!」「歴史にめちゃくちゃ詳しい」「動物のモデル制作や動き専門」というような「色」を会社でも個人でも打ち出していく必要があると思います。
環境を整える
例えば在宅ワークが出来るというCGデザイナーの特性を生かして、駅から遠い家に住む、少し郊外の家賃の低い場所で暮らす、というように支出を減らす作戦。
会社なんかも打ち合わせなんてオンラインで出来るんだから、会社も家賃の安い沿線にあれば良いのにな、とよく思います。
そうすれば、社員も会社の近くに住むことが出来て、満員電車や通勤時間をなくせるし、会社としても家賃も交通費も抑えることができますよね。
支出を減らして、生きるのに必要なお金を減らすのは差別化を言えます。
スペシャリストになる
言わずもがなスキルを上げて、他の追随を許さない作戦。
これが王道であり、多くのデザイナーが目指しているところかと思います。
実績を積み重ね、大きな仕事を請け負う形になると思います。
スキルがあれば、それを発信することでセミナーや講師などにもつながります。
仲間と信頼で繋がる
会社で出世したり、信頼関係のあるクライアントとつながっていたり、仲間とチームを組んだり、仕事を分け合ったり、そういった人間関係です。最近はオンラインサロンのようなコミュニティも増えている印象で、そういったものが主流になっていくのかも。
今はSNSなどで個人と個人が繋がり仕事をするのがあたりまえになっています。
小さな個人が運営するネットショップのwebCMを作ったり、CGデザイナーとプログラマーが組んでアプリを作るとか。そういった信頼関係が大事になってきますよねぇ。
副業をする
ブログやyoutubeで副収入を得ようとする人が増えましたね。
僕は2015年からブログをやっていて、運よく広告収入を得たので投資に回しています。
他のスキルでお金を得ることで、CGデザイナーの競争を優位にするのも良い方法かなと考えています。
例えば株の配当などで収入を得る事ができれば、CGの仕事にも余裕を持てますもんね。
外国語をマスターすればそれだけで人材価値が跳ね上がりますし。
何か他に興味があることを模索してみるのも良いんじゃないかなと思います。
僕が興味があるので、老犬ホームとか。競馬バーとか。
本気だせばCGデザイナーやりながら出来るんじゃないかな。
え?無理?
オリジナリティで勝負する
クリエイターとして独立したい人の理想はここですよね。
作品をつくって、それが評価され「あなたの作風でおねがいします!」となったり、オリジナルコンテンツが収益を生むような状況。
ぼくとしてはオリジナルキャラクターの可能性はまだまだあるんじゃないかな、と思っています。
メタバース空間で使用できるキャラクターを販売するとか。
最終的には1人の人間に1つはキャラクターがつくと思うんです。
今だとチャットGPTが話題ですよね。
あれがホログラムのキャラに搭載されて話しかけるとAIが答えてくれる。みたいに。
でそのキャラがLineに届いたメッセージを読み上げてくれたり、知りたいことを教えてくれたり。
そのキャラモデルは自分で作ったり購入したりするようになるんじゃないかなぁ、なんて思ってるわけです。
なのでクリエイターはコツコツとオリジナルキャラクターを育てるのが良いんじゃないかな。
まぁAIがオリジナルキャラを何億パターンも作ることもできると思うけど。
少なくともリアルなCGなどはAIやソフトの進化によって簡単になるので、オリジナリティで勝負するしかないような気がするんです。
CGデザイナーに限らず、これからは技術的な壁がなくなっていくので「生き方のオリジナリティ」を大事にしたほうが楽なんじゃないかな。
「CGも作るし、他の仕事もする」という働きかたも全然ありだと思います。
趣味でこんなよくわからないものにハマってる。とか。
そのためには「こんなことやってみようかな」という心の余裕が必要だと思うので、のんびり行きましょう。
何年か前はけっこう「このままじゃマズイ」と焦ってましたが、最近はなんだか落ち着いています。
良くも悪くも。
行きついた答えは「未来のことは未来の僕に任せよう」というものです。
頼んだぞ未来の僕!
さてさて、偉そうにほざいてきましたが、そんな僕は今ツイッターのほうで自主制作アニメの制作過程を発信してるので、良かったら見てみてね。
未来のことなんて気にせず好きなもの作ってますが、果たして未来はあるのでしょうか?