
前から評判が良くて気になっていたヌースフィヨルドのBIGBOXバージョンが出たので買ってみました!
漁村を反映させるゲームということで、テーマ的には「果たして本当に面白いのだろうか?」という一抹の不安がありつつも、これだけ評判なんだから体感しておかなくては…!という謎の使命感のもと、1万円以上もの大金を投げうって購入に至りました。
さぁ、この判断が吉とでるのか凶とでるのか…?!

中量級のゲームだけど、ルールはとてもわかりやすい。ここは噂通り。
船の数や種類で漁獲量が変わる。最初はなにもないけど、造船したり長老カードで船をグレードアップしたりできる。上の写真の場合は10匹の魚が取れる状況を表している。
また森林タイルがあるので、それを伐採すれば木材を得ることができるなど、このあたりはいかにも漁村を作ってる感覚があって楽しい。

でも気になることもちょっとあって、それが株券と呼ばれるもの。
株を発行すればお金が手に入る。株券を購入すれば、自分のもとにきて、取った魚が自分のものになる。
正直このあたりがいまいち、ピンとこない。
また長老カードが何枚もあって、好きなものを選べるんだけど長老の力を借りるにはお皿に魚を置く「給仕」というアクションが必要となる。それでお皿に魚が乗ってたら長老カードをつかえる。
また、毎ターン最初に魚を取れるんだけど、まずその魚は長老に分配しないといけない。
長老に魚を分配したり、お皿に魚を乗っけたり。
まるでおじいちゃんを介護してる気分を味わえる。
また建物カードも絵などはいっさいなくテキストのみとなっていてイメージしづらい。
ズバリ。没入感がまったくない。
資源を魚と木材をお金の3種類にすることでシンプルになり、システム的な美しさは間違いなくあるけど、なぜか世界観を楽しめない。
建物カードを見て、最適解を探し出すパズルが好きな人には向いている。
でも僕は「おじいちゃんのお皿に魚を置くとお金をもらえる。」みたいな整合性のないアクションがあるとどうも気になってしまう。どうやら僕は世界観や没入感を大事にしたいタイプらしい。
逆にこのシンプルでいて悩ましいパズルゲームを解く楽しさが好きという人がいるのも理解できる。BIGBOXには建物カードもたくさんあるので、リプレイ性も高いしね。
【システムの美しさ】
プレイに無駄がなく、コンボなどの気持ちよさがあるかどうか。
手間がかかるだけの意味があるか。シンプルながら奥深いものは高評価。
【テーマと世界観】
システムとテーマの整合性が無理なく取れているか。
それにより想像を巡らせて世界に浸れるかどうか。
アートワークが魅力的でテーマに沿って、その魅力を一段と引き立たせているか。
またデザイン的に美しくわかりやすくなっているか。
【リプレイ性】
またやろうと思えるかどうか。
システムのランダム性、選択肢の多さや自由度はもちろん、ボードの大きさと準備のしやすさも影響する。
正直な感想をいうと「こういうことかぁ・・・。」という感じで、なるほどたしかにシンプルだけど悩ましいゲームになっている。ワーカープレイスメントで資源を集めて、いつどんな建物を建てるのか。建物によって効果や勝利点も違う。ボードゲームの基本ともいえるものがわかりやすく表現されていて、それでいてプレイは重くない。
僕もいつか中量級のボードゲームをつくりたいという目標があるので、システムやバランスはとても参考になった。